2009年11月 3日 (火)

デザインタイド2009、見てきたど。

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2009年10月30日から始まった六本木・ミッドタウンの催し、Design Tide 2009を見てきた。

いろんな理由で結局期間中に3回も足を運ぶことになったのだが、今日は最終日なのでね。そして、午前中のオイラのメインイベントは、来春刊行予定のCHANGE BY DESIGNの著者、世界最強のデザインファーム、IDEOのCEO兼社長のティム・ブラウンさんに会ってプロモーションのこととか打ち合わせること。IDEOはもちろん『発想する会社! ― 世界最高のデザイン・ファームIDEOに学ぶイノベーションの技法 』(早川書房刊)で有名ね。

Changebydesignrotator
憧れのIDEOの一番えらい人です。プロモーションに関してなので、こちらも販売系のスタッフを連れて参戦。

ティムさんは、物腰穏やかな、まさに写真の通りの渋いオヤジ。かっこいい。この本については写真を使わずにナラティブ(語り)にこだわってまとめた、というところに男気を感じた。これはまさにデザイン・シンキングのバイブルとなるべき本でしょう!いろんなことを話し合い、また今後も連絡を取り合おうということで別れる。グッジョブ!俺!

(まあ、実際には片言の英語でしどろもどろになりながら、日本語のできる向こうのスタッフにたまに通訳してもらいながら話したんだけどね)

それはともかく、たかが本屋の端くれである僕にとっては、こういうエラい人に会うという経験は本当に冷や汗ものの刺激で、毎回いろんなことを反省するし、自分の弱さを見つけることになる。人は無意識のうちに、そういう仕事からは逃げてしまいがち。でも前にIDEOのトム・ケリーが言っていたように、あえてそういう非日常的な刺激に飛び込むことが人を成長させるのだと信じている。

学生のみなさん、他社のみなさん、早川書房にくるとね、こういうガチで冷や汗かく仕事はいくらでもありますよ! 本物の著者に会える編集部、それがノンフィクちゃん編集部なのです!

と、会社PRはそのくらいにして……実は先週から、ミッドタウンの中では、IDEOのメンバーと博報堂イノベーションラボのみなさんが、ひとつの課題についてワークショップをやっていてですね、そのプレゼンテーションが17時半からあるのですが、軽く昼飯食って、喫茶店で原稿読んだり、たまたまミッドタウンに来ていたブックデザイナーの渡邊民人氏夫婦にご挨拶したりして、しかしまだ時間がある……ということで、デザインタイド開催中のミッドタウン内を徘徊しました。

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↑これはIDEOがこれまでつくったエポックメーキングなプロダクトや、ちょっと変なアイデア商品を展示している場所。水を運びながら浄水もできる開発途上国向けの自転車とか、欲しい商品を買うには自分がどれだけ働かなくてはならないかを表示するiPhoneアプリとか面白い。本もおいてあったけど、なんで原書かな~。日本版のほうが断然いいのに。。。

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↑21_21ミュージアムの近くにある、こっちがトイレという表示。わかりやすいのかどうかはわからない。

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↑時には~なぜか~大空まゆみ~(「まゆみ」のところはスゲ速く歌うこと)
裏庭にいた気球です。当たり前ですが風ふくとマジで結構流されるのね。乗りませんでしたけど。下の風船のアーチは、理科の教科書に出ていた肺胞の図に似ていると思います。

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そうこうしているうちに、IDEOプレゼンの時間。つーか、プレゼンブースは超満員でなかなか前が見えません。

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テラス席からもお客さんが見ています。

えーと、ワークショップの内容は「健康」に関するもの。最終的に「色を食べるeat color」というコンセプトで、色別の惣菜パック、それを思い出させる広告、iPhoneアプリでの健康管理など、魅力的なアイデアにまとまってました。ナビゲーターの箭内道彦氏の毒舌もよかった。デザインはみんなのものなのに、それを難しくして金儲けするヤツがいる、みたいなこと。その気持ちよくわかる。

まあ、プレゼンに関してはとくに言うことはないが、そこにいたるプロセスがやはりすばらしい。漠然としたテーマからぎゅっとひとつのアイデアに絞り込むまでに、いろんな観察やアイデアが検証され、それを可視化・共有化して、ブラッシュアップしていくというIDEOの一貫したやり方には恐れ入る。

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これらはプロセス途中で出てきたアウトプットだが、こういうメモを見ているだけで楽しい。いきなりこの精度ではできないと思うが、まずは恥ずかしがらずに実践することが大事だと思う。でもこういうものを出していくと、組織は楽しんで仕事できるよね。

いや、とても刺激的な文化の日でした。あ、ちなみに、デザインタイドのメインブースは見てません!だって人が多いんだもの。日高屋(六本木店)でW餃子定食食って帰宅。

2009年9月15日 (火)

現在、ワケあって……

今週は、先だってのブログに書いた『発想する会社!』がらみで、東大に通っています!

朝から学生さんたちと一緒に取材したり、考えたり、メシを食ったり、途中まで一緒に帰ったり……今週だけのイベントですが、とても貴重な体験をさせてもらっています。

会社人/社会人の立場からすると、学生さんって甘いところもあるし、こちらの老婆心が首をもたげる場面もあるのだけれど、今集まっている学生さんたちはとても優秀です。刺激を受けることしきりの日々を送っています。

学生さんたち。へんに背伸びせずに、そしてへんにひねくれずに(←これは僕自身の回顧)、いまできることに熱中してください。個人的には、「社会勉強」は社会に出てすれば間に合う!と思います。会社はそのくらいの面倒は見てくれます。偉そうな顔で面接している各社の課長さん・部長さん・役員さん・社長さんたちも、何十年か前はみんな小生意気な学生、挨拶もできない学生だったわけですから(本人たちは否定するかもしれませんが)。

とにかくですね。社会人になると、大学生っていいなぁと思うものなんです!

2009年9月12日 (土)

昨日は東大でトム・ケリー

金曜日はお昼から東京大学i.schoolオープンイベントに参加。しかし、カメラ持っていたのにもかかわらず、一枚も写真ないので、あしからず。

発想する会社! ― 世界最高のデザイン・ファームIDEOに学ぶイノベーションの技法 』『イノベーションの達人!―発想する会社をつくる10の人材 』の著者で、世界的デザイン企業IDEOのゼネラル・マネジャーであるトム・ケリー氏が講演するので、見に行ったのである。

Akamon

赤門入ると懐かしの母校である(俺文学部だったのでほとんど正門からしか入ったことないが)。福武ラーニングシアターってところでやるハズなのでそこに行ってみると、

「な、なんじゃこりゃ!」

Photo

なんと、昔雑木林だったところに、安藤忠雄の現代的建物があって、カフェまである。カフェ!俺らの頃は地下にあるメトロという学食が一般的だったのに、カフェなんてねぇ。

ま、それはともかく、ホールに入ると三年ぶりくらいに見るトムの顔が。さっそく挨拶の列へ。

トム・ケリーオー、Ozzyサーン、ヒサシブリデスネー!

トムの奥さんは日本の方なので、トムも多少日本語が喋れるのである。講演終わったら生協の人が本を売りにくるハズだ、まかしとけ、みたいなことを言って席につく。

講演は『イノベーションの達人!―発想する会社をつくる10の人材 』の中から、重要な役割をふたつほど抜き出しての解説。手元のiPhoneでスライドショーを自分で操作しながらのプレゼンがとても印象的だった。さすが、このへんの小技もきいている。ちなみに、この本は組織がイノベーションを起こすには、組織のメンバーの各人が、「人類学者」「ハードラー」「語り部」などの役割をうまく分担しなくてはならない、という話だが、講演では「人間が覚えられる数字は7つくらいまで。10個は多すぎた」という反省で笑いを誘っていた。

やっぱり彼のプレゼンはスライドが素敵で、また情熱豊かに話すので面白い。前にも書いたが、おいらはこの本と著者にホレこんでいるのである。これを聞くと、会社を変えられる気がしてくるのである。

Kurofune_2 ひとつだけざっくりエピソードを紹介すると、「イノベーションってのは時間がかかるから、いつも後回しにされちゃうんだ。でもイノベーションはすぐ、今日からでも取り組まなきゃいけないんだよ。自分が生まれたオハイオ州アクロンは、昔はアメリカではゴムタイヤ生産のシェアが100%だったが、それにアグラをかいていたら、どんどんミシュランなど海外の新しいラジアルタイヤが入ってきて、いまじゃシェア0%だよ。信じられる? アメリカは自分とこが全てだと思っている。だからワールド・ベースボール・シリーズなんていうんだよ。ワールドじゃないじゃん、アメリカじゃん」と。

まさに、耳の痛い話である。出版業界はとくにイノベーションに疎い業界だ。新しいことにどんどん挑戦して、変わってかなきゃならないのである。

ちなみに、野球のメジャー・リーグの「ワールド・シリーズ」ってのは、アメリカの新聞「ワールド」にちなんで名づけられたので、トムの説明はちょっと違っている(それでも間違いではないが)。なぜか、日本では有名なトリビアなんだな、これ。

講演終わったあとに教えてあげた。

トム・ケリーオー、知ラナカッタヨー、ホントニOzzyサンタラ、パネェナー。

と言ったかどうかはわかんない。その後、懇親会みたいなのもあったが、イノベーションを起こす10の達人のうちの、2つだけを取り上げたことについて、

トム・ケリーキギョウムケノコウエンデハ、サイゴニ「ホカノヤッツニツイテハ、ホンヲカッテヨンデクレ」ッテイウンダケド、キョウハダイガクダカラ、イワナカッタヨー」

と言っていた。まあ、しかし結構宣伝してたようにも思うのだが……

いま彼が考えている新作のこととか、IDEOのこととか、いろいろと話ができてよかった。トムさん、お疲れ様でした。もちろん、ほかの講演者の方や、主催の方々もお疲れ様でした。

 

2009年1月19日 (月)

で、もうひとつの出会い

というのは、TYPEFACEというデザイン会社の社長であり、書籍デザイナーの渡邊民人さんのことである。

一昨年、『戦火のバグダッド動物園を救え』という本の装幀を依頼すべく、はじめて新宿御苑にある渡邊さんを訪ねたときのこと。だいたい初めて依頼するデザイナーさんとは仕事上のプロトコルというか、段取りや暗黙の了解部分が共有できていないこともあるので、いささか緊張するのだが、ヒゲパーマ渡邊さんの「僕も早川書房の本、読んだことありますよ」という言葉は、社交辞令か、本当にそうだとしてもよくあるようにSFとかミステリの話かと思った。しかし、それが『発想する会社!』であるということに仰天。しかも、本当に熟読していて、そらで重要なキーワードをいくつか挙げてくれて、これがデザイナーになる上でとてもタメになったとおっしゃるではないか。恥ずかしながら、あああ俺、俺、と電話口の詐欺師のごとく、担当した者であることを明かし、それからこの本について、話し込んだのは言うまでもない。そして、この一言で、渡邊さんの仕事の仕方について絶大な信頼をおくことになったのである(なんか上からの言い方に聞こえたらすみませんが、なんて言ったらいいかわからないです。。。)。

渡邊さんはいまやベストセラーを連発するデザイナーで、自転車乗りで、ファンクなヒゲパーマである。最近は飲み会などあるたびに、ロン毛のむさくるしい度合を競い合うのだが(でも一応目指しているところが違うという相互了解になっている)、しょせん会社員の僕では太刀打ちできない。まあ、それはそうと、公私ともに仲良くさせて頂いているのである。

お言葉のとおり、渡邊さんはご自分の事務所の運営に『発想する会社!』のノウハウをいろいろ生かされているように思う。というか、この会社は楽しそうだ。最近は僕自身、忙しくなってきたせいか、そういうことに気が回らなくなってきた気がする。こっちも楽しい職場を作らねば。

ということで早川書房withTYPEFACEの装幀コレクション。
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たぶん、これで全部。機械仕掛けの神は今日見本が出来た。この画像より渋い感じ。

2009年1月16日 (金)

で、『発想する会社!』のこと。なかば自慢話。

(c)Craig Morey arranged through IDEO 個人的には『発想する会社!』は非常に思い入れの強い本。どうすれば革新的なアイデアを生む組織が作れるのか、ということに関して、人類学的な観察手法、ブレストのしかた、迅速なプロトタイプづくりなど、具体的なやり方を明かしている本である。

歴史の長い会社というのは、どうしても官僚的・建前的になりがちで、小回りが利かなくなってくる。いいアイデアが出ないわけではないが、それを実現化するまでの障害が多く、正直新しいことをするのがめんどくさくなってくるのだ。本書刊行の2002年当時、そういう閉塞感を感じていたときに、この本の手法にとても明るい理想を見たわけだ。基本的に、僕がビジネス書を担当するときには、この本が自分の会社に役に立つ!と思うものを出すようにしている。

本づくりに当たっては、原書には図版が少なくほとんどモノクロだったのだが、自分で拙い英語で著者のトムさんにメールを書いてやりとりし、結果写真や図版の数を倍増させることができた。また、当時日本のIDEOの代表だったデザイナーの深澤直人さんと打ち合わせしたり、まあ、そんなことをやっていたせいで、販売延期というあるまじき失態も犯してしまったし、カラー刷りなので制作費もかかるのだが、結果、多くの読者の方に読んでもらうことができ、中には私に(!)会いにこられる某有名企業の方もいらっしゃった。

そして、その年の夏には著者のトム・ケリーさんも来日し、新聞・雑誌の取材を受けてもらったり、書店を表敬訪問したりした。とても気さくな紳士で、おしゃれで、かっこいい人だ。当時としてはまだインテリ玩具だったiPodを僕に見せて、「これに僕の大好きな80年代ミュージックがいっぱい入ってるんだ。カルチャークラブとか知ってる?」と自慢していたのがなつかしい。そして、日本語版について、アメリカ版よりビューティホーだよ!とお褒め頂くことほど、翻訳書の編集者にとってうれしいことはない。帰りには100冊くらい買っていかれたと思う。まあ、ダンボール2箱くらいになるので船便で送ることになったのだが。

この本がいまだに結構な数売れていて、こうして著者が呼ばれたりするのはとても嬉しく思う。そしてこの本の担当をしたことが、もう一つの「出会い」をももたらすのである。
(次回に続く)

『発想する会社!』のトム・ケリー来日!大阪!告知!

以下はハヤカワ・オンラインにも載せた告知記事。後半に所感。

1月23日、大阪大学 産学連携推進本部 イノベーション創出部主催の第2回イノベーションフォーラムで、世界的デザインファームIDEOのゼネラルマネジャーで『発想する会社!』の著者、トム・ケリー氏が講演します。

パーム、プラダ、ペプシ、アップル、P&Gなどの魅力的な製品デザインを手掛け、近年では組織変革のコンサルティングでも活躍する世界有数のデザイン集団【IDEO】。そのイノベーション創出の”しくみ”を、あのトム・ケリー自ら語る!
〔同時通訳有、参加無料〕
http://www.uic.osaka-u.ac.jp/led/f/

2009年からイノベーティブな組織に生まれ変わるキッカケを!
講演者(同時通訳あり)
■ Tom Kelley 氏 :IDEO社 ゼネラルマネージャー
■ John Knights 氏 :パロアルト研究所 バイスプレジデント
■ 弘岡 正明 氏 :元 流通経済大学 副学長/元 神戸大学 教授
■ 日時:2009年1月23日(金) 13:30-17:20
■ 場所:シティプラザ大阪 (http://www.cityplaza.or.jp/) 堺筋本町駅 徒歩5分
■ 参加費:無料  ※先着順 最大250名
■ 懇親会:費用 5000円 ※先着順 最大50名

▼ お申し込みはこちらから! ▼ 
http://www.uic.osaka-u.ac.jp/led/f/

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