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2009年6月30日 (火)

インターネットが死ぬ日

ハヤカワ新書juiceの第2回配本、『インターネットが死ぬ日』が世に出ています。

創刊に際しては、みなさまから「厚っ!これ新書なのか?」という感想を多く受けたのですが、今回はさらに厚く、お得な中身になってます。。。。

でもって、これはiPhoneとかXbox360とか、そういう強力なコンピュータでありながらも、使い方を制限している機械が増える傾向が、実は技術の進歩の賜物でありながら、一方では技術の進歩や創造性をさまたげる可能性がある、という警告の書です。

早い話、インターネットやネットワークの発展というのは、悪い使い方をするヤツもいるかもしれし、たいへんなことになるかもしれないけど、それはまあおいといて、基本的にオープンな環境のなかでクラウドソーシング的に多くの人の知恵を集めながら進んできたわけです。
ウィンドウズが爆発的に普及したのも、まあゲイツ君の理想はいくらかあったにせよ、使い方や使うソフトの選択肢の自由が保証されていたからこそ、「誰かの意図に沿うように」使わされることはなかったわけですね。

しかし、いったんネットやPCが普及すると、悪いことをするヤツもそれなりにそこから利益を作れるようになってしまう。そうすると、全体のシステムを守るために、ユーザーが勝手な使い方
をしないようにメーカーが規制をかけはじめる。。。というシナリオになってしまうわけです。
ただし、著者はこの流れ自体は皮肉な必然と見ているようです。

----こっから先は本の中の例ではなくて、私の意見がメインです。

実際、iPhoneのアプリケーションをアップルが検閲し、たとえばポルノを見られるアプリが承認されなかった、なんてことが最近もニュースになりました。ポルノかどうかは誰が決めるのか(昔、見ればわかる、といった判事がいましたが。。。僕は見てもわかるとは思いませんし、みんなが同じ判断をするとは思いません)、、つきつめるとアップルのためにならないアプリは承認されない可能性があるわけですよ。

また、iPhoneには、推奨する使い方をしていない機械を使えなくする機能もありますが、これにかぎらず、最近の電子機器はネットで本部につないで自動的にファームウェアをアップグレードする機能を持ったものも多いので、それについても著者は複雑な思いでいるようです。
あんまりiPhoneばっかりいうとiPhone好きにしかられそうなので、違う例にすると、ウィンドウズの自動アップデートは便利ですが、たとえば(たとえばよ!)法律でポルノの定義が変わったとき、マイクロソフトが責任を逃れるために勝手にポルノとおぼしきファイルを削除しようとすることもできるわけです(ウェブのフィルタリングができるなら技術的にはできると思う)。進化論反対の人たちが政権をとればデジタル焚書も可能なわけで、いま実際に中国政府がグーグルを規制しているのを見ると笑えない話なわけですよ。

そういえば、アップルの伝説的テレビCMで、ビッグブラザーに勇敢な女性がハンマーを投げつける有名な「1984」っていうのがありますが(なんとタイムリーな…)、これが皮肉なことになる状況があるわけですね。

昔はこんなことは考えられなかったのですが、ネットが発達してきたからこそ、こういう状況が可能になったわけで、じゃあどうすべきか、というのが本書の中身です。それはまあ、読んでください。著者のギークな情熱に満ちた1冊です。

2009年6月25日 (木)

今日のチャック

前回の続き。

と、まあチャック・ノリスに付きまとわれている今日この頃なのですが、一日一回かならずチャックのことを思い出すのは、いわゆる「チャック・ノリス・ファクト」というヤツを、「今日のチャック」と題し、とある御仁(というか、エクストリーム・アイロニング・ジャパンの松澤代表)に勝手に毎日ひとつずつ携帯メールで送っているからなのである。

ネットなど探すといろいろ出てくるのだが、私の元ネタとしているのはコレ。
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何かの気の迷いでアマゾンで購入したTHE TRUTH ABOUT CHUCK NORRISという本。

  • ビル・ゲイツは、チャック・ノリスのPCがクラッシュしないかどうか、毎日おびえながら暮らしている。
  • 世の中には二種類の女がいる。チャック・ノリスに抱かれたい女と、もう一度チャック・ノリスに抱かれたい女だ。

のような、チャックの真実が400載っている。はっきり言って、ちゃんとチャック映画見てないとわからないネタや、英語の語呂合わせみたいなのもあって、というか純粋にくだらなすぎるのもあって、微妙な企画なのだが、しかし、読むほどに味わい深い「ノンフィクション」の一冊である。

なんとなくシャレでメールしはじめたこの「今日のチャック」なのだが、こういう短い警句じみた(いや、まさしく警句だ!)文句って、突き詰めると生きる指針のような、神の垂訓のように思えてくるものだ。だいたいは、朝に送っているのだが、メールする時間が遅れるとシャブ中の患者のようになった先方から電話がかかってきて、こんな具合になる。

松「どうにも調子がでません。早く今日のチャックを送ってください(´Д`;)ハアハア」

私「そうですね、ではこういうのはどうです? あるとき、コブラがチャック・ノリスの脚に咬みついた。五日のあいだ激しい痛みにさいなまれたのち、コブラは死んだ!」

松「ありがとうございます。今日も生きていけそうです……(´Д`;)」

(注:一部脚色あり)

そして、送っている側の私もまた、その意味を深く噛み締め、一日を生きていくのであった。

ちなみにあくまで私的使用の範疇でのことなので、これ以上ほかの人には送りませんので悪しからず。詳しく知りたい方はアマゾンででも原書を取り寄せて読んでみてください。てか、ネットでもいっぱい出てくるよ。

なに? 英語で読むのめんどくさい? 早川書房で出してくんないか?

私は編集者ですから、だいたいの本を読むときには、それを自分の編集企画に結びつけて考える思考回路が出来てしまっています。しかし、本作については基本的に日本で本にする気は、いまのところさらさらありません! (まあ、売れないと思う)が、ゆえに、いま純粋に楽しめる本を見つけた心境でありますw。ま、もともとネットの企画だけどな。
まあ、10000冊くらい前金で買取を保障してくれるならやってもいいけど! 

2009年6月23日 (火)

最近チャック・ノリスに狙われている(長文)

先日自慢したチャック・ノリスDVDボックスだが、実は続きがある。

DVDで見られるのはあくまで「名作」。ほかのドB級チャック映画のほとんどはDVDにはなっていないので、VHSで見なくてはならない。とはいうものの、もはやツ○ヤとかいってもVHSなんてもう店頭にあまりないし……

ということで、アマゾンのマーケットプレイスで、中古のレンタル落ちのソフトを買うことに。えー、VHSソフトって中古だとほとんど1円とか100円とかなのね。

ということで12本(!)買いました。

090613124009 だだーん、ぼよよんぼよよん……
なんと、これだけ買って商品合計たったの140円!

そして送料・手数料合計4500円!w
ばかばか!俺のばか!
チャックごときに

ちなみにこのあと、レアアイテムだった『チャック・ノリスのブレイカー!ブレイカー!』も1000円でゲットしますた。。。。てか、VHSだけで5000円upという不覚。

まあ、レンタルビデオ借りたと思ったら同じくらいなんだけどね。しかも、さすがチャックビデオ。レンタル上がりのわりには、わりと状態がよい。。。たしかに、借りて観なくても、昔はテレ東つけたら、テレビチャンピオン並みにやってたもんね。テレチャンは毎週変わっても、チャック・ノリスはただ一人だし。

気を取り直して、比較的軽めな『サイドキックス』から観てみよう。はい。チャック・ノリス版『ベストキッド』ですね。まあ、80年代~90年代前半のモヤシっこたちはみんな、突然現れる怪しい日系人にカラテを習って強くなったのですよね。
で、30分ほど観たところで、VHSデッキから異音発生!画面にウニウニと縦揺れが……。いろいろと手を尽くしたが(ネジとって箱を開けて眺めて閉めるとか)、どうにも直らない。
はい、VHS/DVDデッキのVHS部分がチャックの回し蹴りで昇天しました。

まだ一本も観てない……

ということで一週間くらいかけて、VHSデッキを各所で物色したのですが、いま電気屋には新品のVHSデッキって売ってないのね。DVD一体型ならあるけど結構高い。そのうえ、一体型デッキのVHS部分って、非常につくりがチープで、再生能力も低く、おまけ程度なんだそうだ。まあ、実際壊れてるわけだし。
で、中古をあさるわけですが、2000年以降くらいの安いVHSデッキもやっぱり非常にちゃちいことが判明。
ということで、バブル末期の最高級モデルを探すことにしました。

で、ヤフオクで試行錯誤を繰り返し、1998年製VICTOR HR-X7(定価25万円)に目をつけていたのですが、こいつのメンテ済み・部品交換済み中古っていまでも30000-40000円くらいするのですよ。うーん、いくらなんでもチャックのビデオ観るためにそこまでは(ブルーレイ買えるっつーの)。。。

しかし、若干汚れてるけど動作確認済みというのに目をつけて、ちくちくと入札して、6500円でゲット。うん、まあまあ、われながらグッジョブ、ブーヤー!なわけである。給料日前に、いまにも携帯が止まりそうな感じではあったのですが、携帯止まったって、チャックが気になる。

たぶんいつか君は言っていたね。信じれば夢は叶う、と。(*´∀`*)

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ついにHR-X7が到チャック! でかくて置き場に困ったのですが、貧弱なVHS/DVDデッキを押しのけて鎮座。うーん。さすがに、バブリーな機械w。で、映像はですね……前のとはぜんぜん違う。あんまり詳しくはないのだが、要は普通のデッキが画像を垂れ流しするところを、その前にいろいろ処理してくれてるらしい。もちろん、S-VHSでなくても、その差は普通のと比べると歴然。。。まあ、リモコンがないとか、そういう不便はあるのですが、十分チャックのヒゲの剛性にも耐えられるわけです。まあ、そうはいってもVHSだし、古い(B級の)映画だし、テレビも古い韓国製なので、限界はありますが、しかし、音も結構クリアでびっくり。

まあ、ここでVHSデッキにこだわったのは理由があって、そのうちこれも早晩ダメになる日がくるので、そうしたらVHSテープは観られなくなるわけですよ。なので、綺麗に絵が作れるデッキがあるうちに、デジタル化しとこうと思うのです。もちろんデジタルにすると画像は劣化しちゃうけどね。
しかし実はもうひとつ困っていることがあって、俺使ってるPCだと、なかなか使えるビデオキャプチャカードがなくて、VHSをデジタル化できない。。。揃いも揃ってVista 64bit版で使えないのはなぜ! 

     ┼╂┼  
   ∩_┃_∩ 
   | ノ      ヽ
  /  ●   ● | 
  |    ( _●_)  ミ
 彡、   |∪|  、`\
/ __  ヽノ /´>  )
(___)   / (_/
 |       /
 |  /\ \ 地デジチューナーなんかいらんから「VHS」つながせろ!

そこで、人はこう言う「DVDで買えばいいじゃないですか」と……
だから…チャック・ノリスの映画がDVDになるんなら、こんな苦労はしないっちゅーの!

えー、まだ『暗黒暗殺指令』とか、『デルタフォース2』とか『地獄のヒーロー3,4』とか、足りないのいっぱいあるので、まだコンプリートには程遠いって、いつからコンプリートする気になったのか。。。

TVシリーズの「炎のテキサスレンジャー(全200話以上)」の日本版DVDは出ないのかなー。 これ出ないと今度はリージョンコードの壁にぶち当たるよ。

ちなみに、もうひとつ、僕が毎日チャック・ノリスのことを考えなくてはならない理由があるのだが、それはまた別のお話、ということで……(続く)

2009年6月18日 (木)

NF文庫リニューアルフェアもうじき準備完了

いまNF編集部では7月に全国書店で開催するノンフィクション文庫フェアの準備でおおわらわ。今年は最大約80点をなんとカバー替えするというコスト的にも手間的にも大変なフェアであります。

具体的には、
1.参加作品全点について、カバーの背やソデの部分のフォーマット替え

2.いくつかはカバー表側のビジュアルを変える
090222Solomon_bunkool こんな感じで

3.そのまたいくつかは文字を大きくしてトール化

4.で、名作の呼び声高い新刊も一挙5点刊行

  • アラン・ワイズマン『人類が消えた世界』
  • コンラート・ローレンツ『人イヌに会う』
  • カール・セーガン『悪霊にさいなまれる世界』
  • 石原藤夫・金子隆一『軌道エレベーター』
  • オリヴァー・サックス『妻を帽子とまちがえた男』

というわけで、まあ部署をあげての大作業だったのであります。とりわけ、文庫の責任者である「編集部のラスプーチン」と呼ばれるIさんの暗躍活躍によって、なんとか出口が見えてきた。

ノンフィクション文庫というのはフィクションメインのハヤカワ文庫の中にあって一種異端的な文庫なのですが、数々の名作・奇作を取りそろえたいわば世界の縮図みたいな文庫なのであります。昔は戦記ものや社会派の作品などが人気で、最近では数学ものや雑学ものが多いかな。もちろん、映画になった『マリー・アントワネット』や『セックスとニューヨーク』(セックス・アンド・ザ・シティの原作)などの女性向けのものもありんす。
手前味噌でなんですが、いまこれだけのしっかりした中身で規模の大きいノンフィクション文庫叢書は大手他社を含めてもあまりないと思います。翻訳中心だと一番でしょう。

しかし、なぜ、いまカバー替えなのか?……あんまり理由はありません。
でも文庫のように長い年月出し続けるシリーズというのは、時代に応じて意匠やラインナップを調整する必要があると思っています。無批判に伝統や決まり事に倣うのではなく、臨機応変に「しなる」ことが大事であって、そんな葛藤や試行錯誤の軌跡こそが伝統となる(なってほしい)と思うんですね。

もちろん、新しい本を出せば、目録から外れてしまう本もあります。自分のつくった本がそうなるのは寂しいけれど、でもそれは休眠の期間であって、わりとどんな本でも再度日の目を見る機会は訪れるものなので、まあ、それを逃さずにとらえてカムバックしてくれればと思います。今回の新刊も、『人類が消えた世界』以外はそんな本ばかりですし。

ぜひぜひ、一度でいいので、フェア開催の折には「どんな本が並んでいるのか」を見ていただきたいと思います!

2009年6月 8日 (月)

やはり編集者はいい映画を見ないと。

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安くなっていたので、買ってみました。

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中身はこんなん。チャックの体毛と同じくらい濃い(昔ブルース・リーに胸毛をむしられて負けたくらいですから)。昔、テレビ映画でさんざん見た孤高のアクション・ヒーローだけど、ストーリーはほとんど覚えてません!

土・日に何本か見ましたが、「地獄のコマンド」では、米国全土を標的としたテロ組織のリーダーが、「アメリカを攻撃する前にこれをやっとかないと!」と言い張り、ワニとか獲って暮らしてるチャックの家にバズーカを打ちこんでました。確かに、それは必要です。しかし、そのせいでチャックの戦闘本能に火がついちゃうんだな。あとはチャック無双炸裂。元祖「おくりびと」である。
「地獄のヒーロー」では(何を根拠にか)ベトナムの残留兵を助け出すと言って勝手に行動して活躍。 「デルタフォース」では、呼ばれてないのに、テレビでハイジャックのニュース見て駆けつけちゃう。

このへんの行動力は学ぶべきものがある。

チャック・ノリスと言えば、最近では数々の都市伝説で有名。

「アメリカ人の死亡原因。第一位は心臓病。第二位はチャック・ノリス。第三位はがん」

「ホーキング博士はチャック・ノリスにお辞義するために立ち上がったことがある」

「チャック・ノリスは寝ているのではない。待っているのだ」

なるほど、きっと真実に違いないと思われる伝説ばかり。。。。

2009年6月 1日 (月)

FLIGHT 666

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昨年2月に日本にもやってきたアイアンメイデンのSomewhere Back in Time Tour。ヴォーカルのブルースが自ら操縦する専用757で世界中を回るこのツアーの一部始終を「ヘッドバンガーズ・ジャーニー」や「グローバル・メタル」のサム・ダン監督が映画にしたのがこの「FLIGHT 666」。DVDには映画と、ライブ部分だけをまとめたディスクがセットになっている。

このツアーは自分でも見に行ったので、映画になるとは感慨深い。インドやコスタリカの若者が熱狂している様子は圧巻。特に、ブラジル(かどっか)の人が、ライブの後にすすり泣いて頭上に十字を切るシーンには、「わかる、わかる」と目頭が熱くなった。きっと彼は人生のつらいとき、悲しいとき、そして幸せなときもまた、アイアン・メイデンを聞いていたのだ。誰かがアイアン・メイデンは宗教のようなものだと言っていたが、まさにその通り。宗教や政治は裏切りを繰り返すかもしれないが、アイアン・メイデンは(あんまり)ファンを裏切らないのだ。

そう、アイアン・メイデンはそういうバンドなのだよ。

ひるがえって考えれば、アイアン・メイデンのように筋が通っていて、かつ進化し続ける姿勢というのは、日々の仕事においても重要なことである。バクゼンとしているが、自分のつくる本のなかにそういう背骨を築くことができればうれしい。そして自分の知らないところででも、誰か一人の人生を動かすような本が作れればうれしい。うん。
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聞いてますか、編集長。。。

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