インターネットが死ぬ日
ハヤカワ新書juiceの第2回配本、『インターネットが死ぬ日』が世に出ています。
創刊に際しては、みなさまから「厚っ!これ新書なのか?」という感想を多く受けたのですが、今回はさらに厚く、お得な中身になってます。。。。
でもって、これはiPhoneとかXbox360とか、そういう強力なコンピュータでありながらも、使い方を制限している機械が増える傾向が、実は技術の進歩の賜物でありながら、一方では技術の進歩や創造性をさまたげる可能性がある、という警告の書です。
早い話、インターネットやネットワークの発展というのは、悪い使い方をするヤツもいるかもしれし、たいへんなことになるかもしれないけど、それはまあおいといて、基本的にオープンな環境のなかでクラウドソーシング的に多くの人の知恵を集めながら進んできたわけです。
ウィンドウズが爆発的に普及したのも、まあゲイツ君の理想はいくらかあったにせよ、使い方や使うソフトの選択肢の自由が保証されていたからこそ、「誰かの意図に沿うように」使わされることはなかったわけですね。
しかし、いったんネットやPCが普及すると、悪いことをするヤツもそれなりにそこから利益を作れるようになってしまう。そうすると、全体のシステムを守るために、ユーザーが勝手な使い方
をしないようにメーカーが規制をかけはじめる。。。というシナリオになってしまうわけです。
ただし、著者はこの流れ自体は皮肉な必然と見ているようです。
----こっから先は本の中の例ではなくて、私の意見がメインです。
実際、iPhoneのアプリケーションをアップルが検閲し、たとえばポルノを見られるアプリが承認されなかった、なんてことが最近もニュースになりました。ポルノかどうかは誰が決めるのか(昔、見ればわかる、といった判事がいましたが。。。僕は見てもわかるとは思いませんし、みんなが同じ判断をするとは思いません)、、つきつめるとアップルのためにならないアプリは承認されない可能性があるわけですよ。
また、iPhoneには、推奨する使い方をしていない機械を使えなくする機能もありますが、これにかぎらず、最近の電子機器はネットで本部につないで自動的にファームウェアをアップグレードする機能を持ったものも多いので、それについても著者は複雑な思いでいるようです。
あんまりiPhoneばっかりいうとiPhone好きにしかられそうなので、違う例にすると、ウィンドウズの自動アップデートは便利ですが、たとえば(たとえばよ!)法律でポルノの定義が変わったとき、マイクロソフトが責任を逃れるために勝手にポルノとおぼしきファイルを削除しようとすることもできるわけです(ウェブのフィルタリングができるなら技術的にはできると思う)。進化論反対の人たちが政権をとればデジタル焚書も可能なわけで、いま実際に中国政府がグーグルを規制しているのを見ると笑えない話なわけですよ。
そういえば、アップルの伝説的テレビCMで、ビッグブラザーに勇敢な女性がハンマーを投げつける有名な「1984」っていうのがありますが(なんとタイムリーな…)、これが皮肉なことになる状況があるわけですね。
昔はこんなことは考えられなかったのですが、ネットが発達してきたからこそ、こういう状況が可能になったわけで、じゃあどうすべきか、というのが本書の中身です。それはまあ、読んでください。著者のギークな情熱に満ちた1冊です。








