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2009年5月10日 (日)

Kindleでかいの、出た。

米国アマゾンでは、何年か前からKindleという電子書籍リーダーを売っている。通常版が$359、DX(ちょっと大きい)が$489。なかなかいい値段だが、日本で出たらぜひ買いたいものの一つ。本棚はスッキリするし、新聞とかこれで読めたら便利。

しかしそう簡単には日本では出ないだろう。なぜなら読書端末はことごとく失敗しているからだ。理由はいろいろあるとは思うが、出版社の立場からすると、早い話が「電子書籍は壊滅的に売れない」のである。

ハードが売れない話をしてもしょうがないので、出版社側からのことを考えてみる。

Kindle版の書籍の価格はだいたい$9.99均一。日本円だと1000円くらい。一冊売れたときに出版社にどのくらい入るのか知らないが、アマゾンの発表によると、紙の本が10000冊売れるとKindle版が3500部売れる計算なのだそうだ。(http://www.techcrunch.com/2009/05/06/for-books-available-on-kindle-sales-are-now-tracking-at-35-percent-of-print-sales/

しかし、ですね。いま、日本の単行本(まあ、値段は1500-2000円くらいとして)で10000部売れる本がどれだけあるのか。本当の零細出版社は別にしても、大中規模出版社のオールジャンルの単行本の平均印刷部数って多くても6000部くらいなんじゃないの? ということは実売で4000-5000部。仮にi日本版Kindleが出たとして、その35%、1500ダウンロードくらい売れたとすれば、アマゾンの売り上げは1500×1000円=150万円。このうちどれくらいが出版社の取り分になるかが問題なわけだけど、多めに見積もって70%もらえたとして、100万ちょっと。そこから著者印税を支払い、制作費を支払い……としていくと、まあ利益はほとんど残らない。ましてや、これは実際にはかなり売れた場合のことだし、また収入はゆっくり、支出は早急に、ということになるので、だいたいの場合は資金繰り乙、という計算になるはず(たぶんね、たぶん)。

ちなみに、翻訳ものについては、海外の権利者に対して印税前払いの制度があるから(この前払い金の額が、ざっくりいえば契約金みたいなものになる)、マイナススタートは必至。ましてや、このほか翻訳料も発生する。というか、現状では電子版の版権はまだ売ってくれないことが多い(著作権フリー以外の翻訳ものの電子書籍って見たことないでしょ?)。

じゃあ、日本で電子書籍を普及させるにはどうすればいいのか。いくつか思いつくことを書いてみる。

1.著者と出版社と読者は、縦書きとかルビとか難しい漢字とか諦めて(意外と抵抗多いと思う)、なるだけ単純なフォーマットで我慢する(制作費を抑えるため)。

2.オープンソースで電子書籍リーダーを開発(メーカーの縦割りに出版社が対応しきれないため)。メーカーには国の補助金(←こういうのでもないと、もはやメーカーはやる気ないんじゃないかと思う)。あとやっぱ、端末高いとダメだね。

3.出版社のバックオフィスの電子化もしくは外注。たぶん、小口の金がちゃりんちゃりんと入ってくるのを、また個別の著者にちゃりんちゃりんと支払うようには、出版社のバックオフィスはできていない。著者への売り上げの報告もウェブ上だけでするとかしないと、経費ばかりかかる。また、電子ブック書店が違っても同じような処理ができるように、電子ブック書店間での取り決めも必須。

うーん、どれをとっても前途多難。

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