100年予測
100年後、世界の勢力地図はどうなっているのかを、現在の政治、軍事、そして歴史的観点から予測するのがこの本。いま都内のビジネス街中心に売れています。今年のはじめあたりにはニューヨーク・タイムズのベストセラーにも入っていた本です。
これは八重洲ブックセンター本店。壮観!感謝!ある意味隣の「成功は一日で捨て去れ」との対比が興味深いw。
著者は、各国政府やグローバル企業にもアドバイスするシンクタンク(って呼んでいいのかわからないが)米国ストラトフォー社の創業者兼CEO。アメリカではShadow CIA(「影のCIA」)と呼ばれていて、ShadowはたぶんShadow Cabinetみたいな意味合いなんだろうなと思う。
オビのところだけアップにすると、こんな感じ。
なるだけ世界全体のことがわかるような事例を引っ張り出しているが、全体の論旨としては、やはりアメリカの海軍力はハンパなくて、アメリカの覇権はこれからさらに強まるだろうという結論。ただし、100年の間には上にあるようないろんなシナリオが予測されるわけだ。
この10年くらいで、中東での戦争やテロの拡散、中国の台頭などのイメージがあって、アメリカの覇権が続くという予測は実は最近の予測の流行とは違うのかもしれないが、読んでみるとそれも腑に落ちる。
日本についてもいろいろと述べられているが、僕としてはトルコ、ポーランド、メキシコといった国の動きが面白いと思った。確かに、歴史的にトルコが中近東の中心だったことや、アメリカの南西部にメキシコ人がどんだけ多いかって、意外と忘れてることかもしれない。
個々の予測の当否はともかくとしても、真剣に未来を予測するのって結構骨が折れるはずだ。アメリカという国にいれば、自分の中にも環境にもいろんなバイアスもあるだろうし、それを取り去って(この著者がそれに成功しているかどうかはわからないが)冷静に分析するのはなかなか難しい。たとえばぜんぜん規模は違うが、今後出版業界はどうなるか、と考えるときには、どうしても「希望的観測」が入ってしまう。また、ステークホルダーが未来を予測しようとすると、その予想(もしくはそれを見据えての行動)は少なからず将来の動向に影響を与えるというのも、たぶん事実だろう。いまを生きながらタイムマシン・パラドクスを体験する、みたいな。
なんか脳が沸騰してきたが、そういうことも全部ひっくるめて考えた上で、こういう本を読むと楽しい。というか、読み物としてかなり楽しい本である。とくに後半。
著者が自信満々に語っているプロモビデオがあるので、ぜひ見て欲しい。ちなみに個人的には、カメラ目線でここまで話せる人って純粋に尊敬する。

